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平賀久生建築研究所 Hiraga Architect & Associates

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西岡歯科クリニック
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*兵庫県三木市
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説明  
空の家
西岡歯科クリニック Nishioka Dental Clinic
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三木市の東部、神鉄沿線に広がるニュータウンの一角、整然と区画割りされた一戸建て住宅用地の中の一区画、北側を幅員12mの地区内幹線道路が走る北向きの敷地であった。神鉄の最寄り駅から約700mの距離にあり、計画地を中心とする半径700mの中に既に6軒の歯科医院が点在していた。  このような過密とも云える医療環境において新規開業を計画する医院には、建物の佇まいの中にも明確なアイデンティティーの提示が求められているように思えた。   北側道路以外の3方を隣家に囲まれた約66坪の敷地は、道を行き交う人や車から見ても、これと言った景観的特徴もなく、歯にトラブルを抱えてやってくる患者さんを癒すような優しい自然的要素も見当たらない。  このような無性格な敷地条件の中、環境的な意味においても空間的な意味においても、当医院のシンボルとなるよう、敷地中央部・道路から見た正面に円形の中庭を据えることとした。医院の建物はその奥から180度中庭を取り囲むように配置され、建物内部から見ても、この中庭が安らぎの中心として機能するよう構成されている。受付と待合スペースをはじめ、診察室に置かれた3台の診療ユニットは、全て中庭の円の中心に向かって配置され、オープンシステムでありながら、中庭の自然の求心力により、患者さん同士の横の気遣いが軽減されるよう意図されている。  この円形の中庭には、空に向かってまっすぐに伸びるクロチクが群植され、上部には、中庭の象徴性を高め、空(宇宙)からの無限の光とメッセージを受け止める、コンクリートの円形ビームが架けられている。中庭の手前に拡がる駐車スペースは、芝生保護用ガードナー敷きの上に野芝張りとされ、敷地のフロントエリアを緑のオープンスペースとして街路景観にも寄与している。   正面全景。左手にエントランスへのアプローチ。    夜間には中庭のクロチクがライトアップされ、神秘的な美しさの中に、空に向かう瑞々しい上昇感を浮かび上がらせている。  アプローチより、中庭のシンボルゾーンを見る。     アプローチから見た夜の印象。    エントランスから待合コーナーを見る。右手に受付カウンター。    オープンシステムの診察室。診療ユニットは中庭の中心に向けて配置され、ユニット間に軽いカーテンを掛けることにより、患者さん同士の気遣いは軽減されている。    中庭に向けてゆったりと配置された診療ユニット。
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   奥の診療コーナー。診察台からは中庭のクロチクと空が見えるよう構成されている。
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主な用途:歯科診療所 Main use : Dental clinic 敷地面積:220.38m2 Site area : 220.3m2 建築面積:88.32m2 Building area : 88.32m2 延床面積:83.27m2 Total floor area : 83.27m2
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Photo : Masato Ikuta
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